JICA海外ボランティア便り
ウズベキスタンから 「ズドラーストビッチェ(こんにちは)」
2010年9月よりタシケント法科大学で「日本の社会制度と法」を教えている、JICA・シニアボランティアの加藤文子と申します。
2011年3月の未曾有の大震災に関しては、大学の学長初め教授、そして学生たちから、大変温かな励ましの言葉をいただきました。半年余を経ても、バザールでは「日本は大丈夫ですか」と心配の声がかかります。ウズベキスタンの人たちは、とても親日的で、優しい国民性を持っています。首都タシケントでも45年前大地震があり、市民も地震の怖さを良く知っています。
タシケントの街は一見ヨーロッパと見まがうほど緑が多く、整備されたきれいな町並みが続きます。法科大学はその中央に位置し、ウズベキスタンでトップの法律大学として、全国から学生が集まっています。私はここで日本史・公民・消費者法を教えています。今年度からは、一番教えたかった世界史を3年生に、そして4年生にはNHKの「クローズアップ現代」を見せながら、日本の社会問題を考えさせる講義を追加しています。
ウズベキスタンの公用語はウズベク語とロシア語ですが、希望者は1年生から日本語を学びます。4年生になると、私の話す日本語を80%理解できるようになります。日本の六法全書をスラスラと読み、日本とウズベキスタンの法律を比較した高度な論文を書き上げます。彼らが語学習得に抵抗無く上達が早いのは、この国が多言語国家であり、語学習得能力が高いことが強く関係しているのではと考えます。
2010年、他大学にも声をかけ、法科大学で「百人一首講座・百人一首大会」を開催しました。日本人も多数参加しましたが、最優秀賞は、私が日本史を教えている男子学生が取りました。勿論、札は日本語で読み上げ、日本ルールで行ったのですが、日本人を抑えての一番は見事! ウズベキスタンに百人一首を根付かせる事が、私の夢となっています。
大学にいますと、国際会議やシンポジウムに出席させられたり、多種のイベントに参加させられたりしますが、先日は国会(参議院)で、「日本の三権分立(均衡と抑制)」について話をしてほしいとのことで、演説をしてきました。質問も多く出て、日本の制度研究にとても熱心な様子がわかりました。
ウズベキスタンの生活はどれもが新鮮ですが、一番感激したのは、2011年10月1日、大学の玄関に大勢の学生が待ち受けていて、感謝の言葉と共に大きなバラの花束をプレゼントされたことでしょうか。この日は「先生の日」でした。携帯にも学生から「先生の日おめでとう」というメッセージが何件も入っていました。ウズベキスタンの事を殆ど知らないまま、多少の不安を持って任国入りしましたが、今では、この国が私の第二の“ふるさと”になりつつあります。任期は2012年6月までですが、ウズベキスタンと日本の架け橋の一助となるべく、研鑽を積んでいくつもりです。
加藤文子 シニア海外ボランティア
プロフィール
元清教学園高等学校社会科教諭。ボランティアをライフワークとし、これまでの経験を生かすため、2010年よりシニア海外ボランティアに参加。ソ連の解体とともに1991年に独立したウズベキスタン共和国の首都タシケントにあるタシケント国立法科大学で「日本の社会制度と法」及び「日本の消費者関連法」について教鞭をとっている。消費生活アドバイザー、消費生活専門相談員。2012年6月帰国予定。
百人一首の審判をする筆者





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